韓国文化を知ろう


17号 風物(プンム)とは?

 風物とは、その年の豊作を祝ったり、各地方の祭や行事の際に演奏されるものです。現在では韓国内の劇場などで演目の一つとしても多く見かけます、もとは農民たちの中から生まれた音楽であり、今でも生活の中に深く根付いています。
 その演奏は各地方によって特色があり、バラエティに富んでいます。韓国全土を大きく上下に分類し、上半分をウッタリ地方、下半分をアレッタリ地方といいます。そしてウッタリ地方には京畿道や忠清道、江原道などがあり、アレッタリ地方には全羅道、慶尚道などが含まれます。これらの地方の風物にはそれぞれに特徴があります。アレッタリ地方を例にとってみてみましょう。全羅道の風物はホナムノンアクと呼ばれ、複雑なリズムが多彩に組み込まれています。これに対して慶尚道の風物はヨンナムノンアクと呼ばれ、リズム自体は単純で全体的に激しく男らしい印象を与えます。この二つを見てもわかるように、風物には各地方の風土や民族性の違いがよく表われています。
 演奏に使われる楽器はケンガリ、チャンゴ、プク、チンなどがあります。これらには各々大切な役割があり、非常にバランスよく構成されています。そのほかにはソゴという小さな太鼓や、テピョンソという笛などを使い、白、黒、赤、青、黄の衣装を身にまとって所狭しと楽器を打ちながら舞い踊る…それが風物です。次回は一つ一つの楽器をもう少し詳しくみてみましょう。


18号 民族楽器「チャンゴ」

 風物ノリ(韓国の農民が豊作を祈願する民族芸能の総称)の時に使う四つの楽器をサムル(四物)と言い、その楽器の形から「星」「月」「太陽」「人間」にたとえたり、音を「雷」「風」「雲」「雨」にたとえたりしています。その中で形を「人間」にたとえ、音色を「雨」にたとえている杖鼓(チャンゴ)について紹介したいと思います。

 チャンゴは、風物ノリで演奏される最もポピュラーな伝統打楽器であります。胴体は木の真ん中をくり抜いた筒状のものであり、その胴体の左右には動物の皮が張られています。胴体と皮をひもで結び固定し、ひもに挟まっているプジョンと呼ばれるものでチューニングを行います。使用するジャンルによって、大きさや皮の種類が若干違います。
 風物ノリに使用するチャンゴの胴体は主に桐を使用し、安物でない限りは、一本ものの木を使用しています。皮は羊、馬、牛、犬など、好みによって使用しますが、本格的に行う人は、犬の皮を一番愛用しているようです。チャンゴが丁度左腰(サウスポーは逆)にくるように紐でつるし、左手には先に丸いものがついているクングルチェというバチで叩き、右手は竹を削ったもう一本のバチのヨルチェで叩きます。右手と左手のバチが違うことと、右側と左側の皮の厚さが違うことから、左右違った音色が聞こえます。また、右手と左手と違う動きをすることから、見る方にとってもおもしろく、叩く方にとっても叩き甲斐のある楽器です。
 風物ノリでは、ケンガリをリーダーと言いますが、チャンゴは花形と言われ、役割を決めるときにも一番人気のある楽器であります。韓国では農楽で使用するチャンゴは安いもので一万円程度から高くても二万円も出せば、かなりいいチャンゴが手に入ります。
  …以上チャンゴの紹介でした。次回はケンガリについて紹介したいと思います。



19号 民族楽器「ケンガリ」

 農楽、サムルノリでリーダー的存在であり、民謡、舞踊、仮面劇などでは伴奏楽器として活躍するケンガリについて紹介したいと思います。

 ケンガリはチャンゴと同様、古くから韓国の音楽には欠かせない楽器であります。写真にあります通り直径二〇〜二五cmの大きさで丸く、厚みの薄い金属製の打楽器であり、布で覆われていない木製のバチで叩くため、とてもカン高い音がします。農楽やサムルノリではリーダー的な存在で、前奏やリズムの変わりの合図は全てケンガリが行います。
 ケンガリのリーダーをサンセと呼び、ケンガリの速さによって全体の速さも左右されます。奏法は大きく分けて二種類あり、握り手を裏面に押しつけて「カンッ!」という短い音をならす打法と,握り手を開放して「カーン」という余韻をのこす打法です。奏法は単純でありますが、単純であるが故にその奏法は奥が深く、大変跳ねやすい楽器である習性をうまく利用して、一回の動作で二回叩いたり、上下にスライドさせて音にシャキシャキ感を持たせたり、そのテクニックは様々であります。
 ケンガリには、ただのしんちゅう、しんちゅうに銀を中に混入させたもの、金を中に混入させたもの、と三種類に大別できます。価格は高い物でも一万円以内で購入でき、価格によって音は比例します。但し購入の際には必ず叩いてみて、音の構成を聞き分ける必要があります。またケンガリの表面、裏面を細部まで良く見て、薄い部分はないか、亀裂が入りそうな部分がないかも調べる必要があります。手入れも肝心で、自分の出したい音に近づける厚さをヤスリなどで削って作ったり、叩き出したりする作業も重要であります。
 …以上ケンガリの紹介でした。次回はプクについて紹介したいと思います。



20号 韓国舞踊「サプリ」

 韓国舞踊の代表的な演目といえば、プチェチュム(扇の舞)、五面太鼓、剣舞…いろいろいありますがここではサルプリを紹介します。
  韓国舞踊の白眉とされるサルプリには、喜怒哀楽に恨、興などのあらゆる感情が表現されていると云われ、そのルーツはムーダン(巫堂)の神事に求められています。舞踊化された今日のサルプリは、宗教色が薄れ、芸術性が極めて高いといわれています。サルプリとは厄払いという意味を持ち女性の内面を表現する民俗舞踊として発展してきました。白い衣装を身にまとい、白布をたなびかせながら、シナウィ(巫堂音楽)の伴奏にあわせてしなやかに舞う舞踊です。
  青年会等の発表で見られる舞踊ではプチェチュム、チャンゴチュム(チャンゴを肩からつるし舞う農楽の一部分)など明るく華やかなものが多いですが、個人の舞踊家の方にはサルプリを代表作にする先生方が少なくありません。一見、地味に見えますが、それだけ技術を要し、表現が非常に難しい舞踊です。
  韓国舞踊は他の国の舞踊と比べ呼吸法が独特であるといわれていますが、サルプリでは呼吸がその美麗さを高めていることを感じられます。皆さんも何かの機会にぜひ韓国舞踊を観覧してみてください。



20号 民族楽器「プ

 プクは、基本的なリズムをたたく楽器であり、ひもを肩からつるし腹部あたりでプクを固定します。左手で楽器を支え、すりこぎに似たバチというもので右手で叩きます。今まで紹介したケンガリやチャンゴは叩き方に変化をつけたり、アドリブを自由に入れますが、プクはほとんど基本のリズムを叩きます。そのようなことから、プクにはリズムの正確さが要求され、全体のリズムを把握していることは勿論、間違いは全体のリズムを狂わせるほど重要な役割を担っています。しかし、最近ではプクにもソロの部分を挿入し遊んでいる演奏もみられます。
 プクの種類はいろいろありますが、主に農楽で使われるのは、桐や松などの木を掘り抜いた胴体に、左右に動物の皮をひもで直接固定したものです。相当な力で叩くので、皮はそれに耐える牛をよく使います。プクの値段は作りと大きさで比例し、安いもので一万円程度から高いものだと五万円を超えるものもあります。


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