あんにょんブログ

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ウポポイに行って、他のマイノリティについて考える

ウポポイに行って、他のマイノリティについて考える

 アンニョンハセヨ。チョンソンです。
まだコロナ第三波が問題になる前に、北海道に行ってきました。ウポポイ(民族共生象徴空間)に行きたかったからです。

https://ainu-upopoy.jp/

 テレビCMもしているので、名前は聞いたことがあると思います。北海道の白老郡白老町というところに2020年7月にオープンしたばかりの、アイヌ文化の復興と発展のためのナショナルセンターのことですが、国立アイヌ民族博物館や体験交流ホールなどの該当施設をまとめて、ウポポイと呼びます。

 かつて北海道が蝦夷と呼ばれていた頃、先住民族のアイヌの人たちが暮らしていました。明治時代に開拓が進む中で和人(日本人のこと)による支配が強まり、アイヌの人たちの風習や文化は廃れていきます。そして「和人化政策」により、同化も一層進んでいきました。しかし今もアイヌ民族がルーツの人たちは、各地に暮らしています。彼ら彼女らの文化に触れることで、在日コリアンとはまた違うマイノリティのことを知りたい。そんな気持ちを持っていたので、オープン当初からいつ行こうかとずっと考えていました。

 そんな折に北海道が地元の友人が里帰りするというので、日程を合わせて現地集合することにしたのです。

 まず新千歳空港から札幌に向かう快速に乗り、南千歳で降ります。そこから北斗という特急に乗ること約30分で、白老駅に到着しました。
 改札を出ると、ウポポイまで行くバスがあるようなことが書いてあったけれど、周囲をさんざん探してもバス停が見当たらない。でも駅から600メートルぐらいのところにあるのはわかったので、2人で歩くことにしました。

観光地仕様になっている白老駅

 

 着いてみると、ひ、広い!
ポロト湖という湖のほとりにあるせいか、いるだけで心が澄んでくるのを感じられました。

美しいポロト湖

 

 まずは国立アイヌ民族博物館にゆっくり見て、その後は体験交流ホールに向かいました。ホールではアイヌ古式舞踊や楽器演奏など、アイヌの伝統芸能の上演されているのですが、時間が合わなくてどれも見ることができませんでした……。

館内の写真撮影は可能で、動画はNGでした

 

 なので私と友人は敷地外にある、『シンヌラッパ ウシ』という慰霊施設を訪ねることに。ここにはかつて研究目的で道外に持ち去られ、全国の大学で保管されていた1200体以上の遺骨が、一時的に保管されているのです。

 皆さんは「人類館事件」をご存知でしょうか?

 1903年に大阪で行われた博覧会の「学術人類館」で、生きた人間が展示物にされた事件を指します。ここでは琉球人(沖縄県民)や清国人(今の中国人)、台湾の高砂族、そしてアイヌと朝鮮人などが、日本人のための「見世物」にされていたのです。このように外国人だけではなく、アイヌ民族も日本人にとっては、見世物や研究対象にされてしまう存在でした。遺骨は「持ち去られ」と書きましたが、盗まれたものもあることがわかっています。

 そんな事件を耳にしていたこと、日本におけるマイノリティという点では同じであることから、どうしても慰霊施設を無視して、明るい場所だけを見て帰る気にはなれなかったのです(友人は日本人でしたが、同意見)。

 でもどーやって行けばいいか、施設内には案内がないのでよくわからない……。ググったら1キロ弱の距離だけど、タクシーも来ないしバスもないので、「なんとかなるだろう」と2人で歩きました。

 最初のうちは「楽勝じゃん?」とか言ってたのですが、だんだん坂道になってくるし、「ヒグマの出没が多発しています」なんて看板もあるし。大丈夫かと不安になったけれど、自分を信じて歩いていたら到着。賑わいを見せていたウポポイ敷地内とは一転して、誰もいませんでした。でもその分、静かに時間を過ごせました。

敷地内には墓所とモニュメントが

 

 在日コリアンや韓国のことは学んでも、自分たち以外のマイノリティについて知ったり、学んだりすることはこれまで、あまりありませんでした。でもこれを機に広い目で社会を見ていこうと、ひっそり誓いを立てたチョンソンなのでした。ではよいお年を!

 

(チョンソン)

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