あんにょんブログ

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分娩方法に関心あり?

分娩方法に関心あり?

アンニョンハセヨ、インジュです。このブログを書いている前々日、無事に第2子となる男の子を出産しました!
何と体重4346gのビッグベイビーで、分娩室中が驚きに包まれました(笑)
新型コロナウイルスの感染予防のため、立ち合いも面会もNGで1人で臨んだ今回。
実家に預けた娘が気がかりですが、久々に静かに心置きなく休むことができて、こうやってブログも書けています。

あまりにも赤ちゃんが大きいので、医師からは「経産婦じゃなかったら帝王切開だったよ」と言われました。
何とか自然分娩できて本当に良かった~!と思ったのですが、突然、韓国でよく尋ねられた質問が頭をよぎりました。

자연분만이에요? 수술했어요? (自然分娩ですか?手術≪帝王切開≫でしたか?)」

赤ちゃんの誕生を報告すると、「おめでとう!」の次にこの質問が来たのでびっくりしたという記憶です。
それも質問の主は男性や50~60代女性。中には道行く知らないアジュンマに「赤ちゃんかわいいね」の次にいきなり聞かれたりもしました。日本ではめったに尋ねられることのない質問です。
それで「自然分娩です」と答えると、相手の顔がぱっと明るくなって「고생하셨네요! (大変でしたね!)」と労われるのでした。

一体何でそんなことを聞くんだろう?
そう思って韓国にいる経産婦の友人たちに尋ねてみると、オンマたちにとって腹立つあるある話の一つでした。
まずは自然分娩の優越思想が根強く、帝王切開は母親の意思が弱いと思われるということ。
そもそも、韓国は日本よりもずっと帝王切開の割合が高いことがわかりました。

日本では何らかの事情がある場合の出産手段であることが多いですが、韓国では自ら帝王切開を選ぶ人も多いようです。
ある調査によると、帝王切開は年々増加傾向にあり最近では約4割。ちなみに日本は2割以下です。
理由は様々ありますが、高齢出産が増えていること、そして分娩に恐怖を感じる場合に選択されることも多い様子。
またこちらの方が費用が高いので、医師が積極的に勧めているという指摘もありました。

友人は義母から「自然分娩じゃないと健康な子が生まれない」と粘られたため、帝王切開を断念。20時間超の陣痛と戦ってようやく出産したと今も恨み節を言います。
また持病のために帝王切開をした従姉によると、分娩方法を尋ねた後は「母乳か粉ミルクか」「出産費用はいくらかかったか」などと聞かれ、「保険適用で安く済んだ」といった話をするとようやく労ってくれて話が終わったりするんだとか。
この話でようやくピンときました。
「母乳か粉ミルクか」問題は日本でも何の悪気もなく話の流れである質問です。韓国では分娩方法もその一環の様子。
ついでに言うなら、相手は何か子育て中のオンマを労う話のタネにしたいだけなんだなと。まったく余計なお世話でしかないですが。

この場合の帝王切開は、日本でいう無痛麻酔と同じだとも思いました。
日本ではまだ導入していない産院も多いですが、韓国では無痛はほぼ基本オプションの上に保険適用だといいます。
費用も比較的安いので多くの妊婦が選択し、そのことで周囲から非難されることもまずないようです。
それに引き換え、日本ではまだまだ無痛=出産が楽だったと見られてよく思われない傾向にあります。
私も2回とも出産は無痛麻酔をしてもらいましたが、何となく気後れしたのが事実です。

でも本当にどんな分娩方法であっても、女性の体にダメージがないわけありませんし命がけです。
今回のお産で改めてそう感じました。
母親を労いたい時はシンプルにお願いしたいものです。

さて韓日育児生活のブログ、今後は2児育児についてお送りします。引き続き、よろしくお願いいたします!

産後2日目の息子の手。2人目の育児は心に余裕を持てたらと思います…!

 

(アン・インジュ)

1984年ソウル生まれ。1990年に来日、神奈川県で育つ。延世大学校政治外交学科卒。日本の全国紙に勤務。韓日ダブルの娘と息子の子育て中。

全国8ヶ所の地方本部にて定期的に事業を開催しています。
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