『ビューティー・インサイド』(2015)
ジャンル:ロマンス、ファンタジー
監督:ペク・ジョンヨル
あんにょんはせよ。
韓国芸術総合学校という韓国にある芸大で映画の演出の勉強をしているジニュンと申します。
今月から月一回、韓国映画の紹介をさせていただくことになりました。
初回の今回は個人的に好きな韓国映画の紹介をさせていただきます。
韓国では2015年に劇場公開された『ビューティー・インサイド』という映画です。
簡単なストーリーをお話しすると…毎日目が覚めると顔や体、年齢や性別まで、見た目の全てが変わってしまう体質になってしまった主人公ウジン。
家具職人でもあるウジンはある日、家具屋で働くイスに惚れてしまいます。
イスに告白するため、ウジンは自身の見た目がイケメンに変わるまで待ったりするなど、彼女のハートをゲットするために頑張ります。
体質のため今まで誰かと深い関係になることを諦めていたウジンですがイスに出会い本当の恋を知ります。
というボーイミーツガールなお話しです。
ですが、ウジンのその特殊な体質のため、二人の関係は一筋縄ではいきません。
やはり色々と問題が起きてしまいます。
あまりネタバレしたくないので、残りのストーリーはご自身の目でご観覧下さい。
ウジン役を務める役者さんは今話題の梨泰院クラス(私はまだ見てませんが)のパク・ソジュンさん、大ヒットしたドラマトッケビ(これも実は見てません)のイ・ドンウクさん、そして日本の役者である上野樹里さんなど、様々なイケメン俳優や個性豊かな役者さんが演じていて見応えがあります。
イス役のハン・ヒョジュさんは非常に美しいです。見てて惚れます。
映画の中でイスが椅子に座るシーンがあるのですが、「イスが椅子に座る」、きっとこれを狙って監督はヒロイン役にイスと命名したのではないでしょうか。(そんなわけないか)
ジャンルがファンタジーロマンスなので、家具工場、家具屋、ウジンの自宅など、映画に出てくる場所や雰囲気は、美術や照明により非常におしゃれで美しい雰囲気を醸し出しています。
ですから韓国特有のあのガヤガヤとした市場などは出てきません。
ウジンのお母さんが市場の一角でしている縫い物屋さんが映画の中には登場しますが、そのお店すらもなんだかとってもお洒落です。
この映画を撮ったペク監督はもともと映画だけでなく、グラフィックデザイナー、アートディレクター、CM監督、ミュージックビデオ監督、眼鏡文房具ブランドの運営、フォントデザイナーなど、様々な活動をなさってるそうです。
そんな監督の多才なアーティステックな感性が、この映画はお洒落に仕上げたのでしょう。
そしてこの映画の核の部分である見た目が変わってしまうという体質は、アイデンティティに直結する大変な問題でもありますよね。
そんなアイデンティティに関して考えることが大好きな私は、この映画から
「自分自身の存在は大事な人との繋がりによっても証明される」というメッセージを勝手に感じとりました。
もしアイデンティティに悩んでいる方がいましたら、大切な人との繋がりを通じて自分自身を見つけ出してみるのも良いのではないでしょうか?
そして映画のような劇的な変化は流石に現実では起きませんが、よく考えると私達も実は少しずつ変化をしています。
子供から大人へ、そして老人へと少しずつ歳をとり見た目が変わっていきますし、様々な経験を通じて物事に対する考え方も変わっていきます。
私達の内面や外見もゆっくりと変化しているのです。
変化を恐れ拒否するのではなく、変化を受け入れる柔軟さも生きる上で大切なことなのでしょうね。
とにかく、出てくる役者さんは素敵ですし、映画の雰囲気はおしゃれなので、夜一人で見るときっと胸がキュンキュンするはずです。
ちなみにこの映画には原作となった短編映画風のCMがあります。
気になる方はYoutubeで ”The Beauty Inside” (Intel + Toshiba) と検索すればすぐに見つかると思います。
もう一つちなみに、2018年にドラマ化もされてるそうです。私はそちらは見ていませんが。
はい、そうです。私はドラマをあまり見ない人間なのです…
ということで、今回紹介した映画は『ビューティー・インサイド』でした。次回もお楽しみに。
(ジニュン)