アジョシ(2010)
アンニョンハセヨ!
今回ご紹介するのは韓国でアクション映画の名作、ウォンビン主演、イ・ジョンボム監督作品の“アジョシ”です!
10年ほど前の映画ですが、2010年当時、国内観客数600万を超え、2010年度の韓国映画の国内興行収入1位に輝きました。
映画のあらすじですが…
一人寂しく質屋を営むチャ・テシク(ウォンビン)。彼を訪ねて来るのは質屋の客とテシクのことをアジョシ(おじさん)と
呼ぶ隣の家の少女チョン・ソミ(キム・セロン)くらい。悲しい過去を持ち、他人に対して心を閉ざしていたテシクですがソミに対しては少し
ずつ心を開き始めます。しかしある日、麻薬事件に関与していたソミの母親と共にソミが誘拐されてしまいます。
元特殊要員のテシクは囚われたソミを助けに向かいます…
正直ストーリーはそこまで凝った話ではありません。フランス映画の“レオン”など、少女×おじさんという設定の似たような名作はすでにあります。
しかし!この映画の魅力はそんな設定すらも力技で個性に変えてしまう魅力的なウォンビンとハードなアクションにあります!
心に傷をおった口数の少ない主人公という設定は、かっこいいけれどどこか少年のような脆さも持っているウォンビンにぴったりです。
映画の前半はボサボサに髪を伸ばした状態で登場するテシクですが、劇中に自ら髪を切って気合をいれるシーンがあります。
上半身裸のままバリカンで髪を刈るシーンは多くの男性の憧れになり、そして多くの女性の目をハートにし、公開当時話題になりました。
韓国映画史に残る名シーンとも言えるでしょう!
正直、映画のストーリー上、髪の毛は切っても切らなくてもさほど大きな影響はありません。
しかしこのようなイメージ中心のシーンがあるかないかで映画の雰囲気はガラッと変わるのです。
映画はよりスタイリッシュになり、観客をグッと引き込む効果が生まれます。
そして注目するもう一つの要素は骨太なアクションです!バイオレンスすぎて残酷な部分もありますが、
ウォンビン演ずるテシクが悪党と戦う様子はスタイリッシュでかっこいいです!
アジョシのアクションは派手な映画アクションが中心ではなく実践武術が根幹となっているそうです。
実践武術とカメラワークによる演出がこの映画のアクションをとってもカッコよく見せているのです。
アジョシというタイトルですが、直訳するとおじさんです。そうです。中年男性を意味するあのおじさんなのです。
正直イケメンなウォンビンにアジョシという言葉は似合いません。
でもこの映画に登場するウォンビン演ずるテシクは世界で一番かっこいいアジョシなのです!最近私もたまにアジョシと呼ばれるようになりましたが、
言われるたびにちょっと落ち込んでしまいます。
いつかウォンビンみたいなクールなアジョシになりたいです。
そしてこの映画を撮ったイ・ジョンボム監督は現役の映画監督でもあり韓国芸術総合学校の教授でもあります。
つまり私の映画の師匠なのです。大学院で映画を勉強し始め、はじめに映画演出のイロハを教えてくれた先生がイ・ジョンボム監督でした。
アジョシはアクション中心の映画ですが、ちゃんとヒューマンドラマな部分もあります。
ワイルドに見えて繊細な映画なのです。イ・ジョンボム監督も映画のように一見ワイルドに見えますが繊細でとても熱い先生です。
アジョシという映画のイメージと監督の性格は似ていると個人的に思っています。
やはり正直な気持ちで表現した映画は人の心を動かし面白くなるものだと思いました!
そして私も正直な気持ちで映画制作を行わねばいけないなと学びました!
ちなみにウォンビンはこの作品以降、広告などの仕事はしていますが、映画には出演していません。
いつかまたスクリーンに登場し、映画業界を盛り上げてくれたらなと思っています。
今回はここまでです!
それではまた次回!
ジニュン