チョンソンのF-4 ビザ取得顛末記(その2)
アンニョンハセヨ。チョンソンです。ちょっと前にF-4(在外同胞)ビザを取得すると書いたのを、覚えていらっしゃるでしょうか?(前回記事はこちら)
F-4ビザとは
「過去大韓民国の国籍を有した者で外国の国籍を取得した者」か「父母の一方又は祖父母の一方が過去大韓民国の国籍を有した者で外国の国籍を取得した者」が、その国籍のままで在日韓国人同様、韓国内で自由に就労や滞在ができるビザのことを言います(更新の必要あり)」
というもので、チョンソンのように国籍が日本やそれ以外のコリアンにとって、韓国内での自由度がぐんと増すものです。あれから約3か月。今どんな感じなのかについて、ご報告したいと思います。
やらざるを得ない、指紋押捺
前回、外務省に「犯罪経歴証明書」の発行申請をする必要があったことを書きました(前回記事はこちら)。これは外務省経由で各都道府県の警察機関で受け取る、というものなのですが、最初はとにかく外務省にアタックしないとならない。なので4月上旬に外務省に連絡したところ、「準備に約3週間ぐらいかかる」と言われたのでひたすら待ちました。
4月下旬に入り、「こちらの準備は終わったから、警視庁で指紋押捺をせい」という電話がかかってきたのです。ネガティブな響きの言葉ですが、留学経験者に聞くと、韓国以外でも長期ビザには犯罪経歴証明書が必要なので、指紋押捺は特別なことではないとのこと。ちなみにチョンソンは東京都在住なので警察庁でしたが、他の地域にお住いの方は地元の警察機関になります。
再び警視庁に出向いて部屋に案内されると、まず両方の手指にヘアムースのようなものを塗られます。で、それぞれの手指をスキャナーのような機械に乗せ、ゴロゴロさせる作業が始まります。イマドキの指紋押捺って人権侵害甚だしい、真っ黒なインクじゃないのね。まあ当たり前か。
この日はゴロゴロで終わり、「5月×日(だいたい2週間後)に証明書が出来るので取りに来るように」と書いた紙を渡されました。それを受け取った時点でいよいよ申請できるようになるので、事前に戸籍謄本とビザ申請書、基本証明書を用意しておく必要があるけど、基本証明書は東京なら領事部のある、韓国中央会館別館ビル2階で手に入るので当日でも大丈夫と思い、この日は家に帰りました。
ないない尽くしで3回も!
いよいよ5月某日になり、朝9時に霞が関の警視庁に行って書類をもらい、いそいそと麻布十番の領事部に向かいました。セキュリティチェックとサーモグラフィを通り、3階受付へ向かうチョンソンは、さあどうだとばかりに書類を提出するまではウッキウキでした。すると声の小さい窓口のアガシが、予想だにしていなかったことを言ったのです。
「この戸籍謄本ではダメです。いつ帰化したかが書いてない」
へっ? 「戸籍謄本を出せ」としか聞いてないんだけど。いつ帰化したかがわかるものって事前に言ってませんけど……?
若干押し問答気味になりながらも、とにかくダメの一点張りだったので、クールダウンのために2階に降りて、とりあえず基本証明書を申請しようとしたのですが! こちらも「いつ帰化したかの情報が必要なので、それが書いてある戸籍謄本を用意して」と言われて帰されてしまいました。
なんだよそれ? どうすりゃいいんだよ!
らちが明かないので、建物の前で仕方なくググりました。すると「転籍をすると帰化情報が戸籍に記載されなくなる」と書かれたページにぶち当たったのです。
チョンソンは数年前に本籍地を移しているので、いつ帰化したかが戸籍謄本に記載されないことがこの時、ようやくわかりました。なので急いで前いた街に行き、以前の戸籍を申請すると……。書いてありました!
「これで大丈夫。待っておれよ~!」
数日後、再び韓国中央会館別館ビルに向かいました。まずは2階で基本証明書を受け取り、今回はアガシではなく見知らぬアジョシが窓口にいたのですが、ドヤ顔で書類を提出しました。すると……。
「48時間以内の健康診断書がないのでダメです」と言われたのです。
なんだよそれ! さらに聞いてねえよ! かなり押し問答気味に「聞いておりません」ということを伝えると、以前ぺらっと渡された紙を見せられました。そこには
「今回の措置で今後ビザ(長・短期同様)を申請しようとする外国人は申請日より48時間以内に医療機関から審査を受けて特定の検査内訳(発熱、せき、悪寒、頭痛、筋肉痛、肺炎など)が記載された診断書を必ず提出することになります。(※ビザ申請の前、48時間以内に受けた検査に限り認められる)」
と、確かに書いてはあります。でもそんな話聞いてないし、この紙を熟読する人っているの……? せめて口頭で言ってよねえ。
絶対に受け取らないことだけはわかったので、仕方がないのでまたもやこの日も、申請できずに帰ることに。今はコロナ禍の最中だから健康診断書が必要なんだろうけど、個人でビザ申請をするのがこんなに大変だったなんて。麻布十番まで遠くないところに住んでるチョンソンですら、心が折れかかっとるわい。だから皆お金を払って、代行業者に頼むんだろうなあ。納得だよ。
しかしこうなりゃ、何が何でも取ったるぜ!
この続きは、次回お伝えします。
ではまたアンニョン。
(チョンソン)