ミナリ(2020)
アンニョンハセヨ!
今回ご紹介するのは“ミナリ”という映画です!
ひとまず、この映画を韓国映画と捉えていいのかはさておき…(その理由は後ほど記載します…!)アメリカのアカデミー賞にノミネートされ話題となっているのでご紹介したいと思います!
この映画は1980年代、アメリカのアーカンソー州に移住して来た韓国系移民のお話です。農業での成功を夢見てこの地にやって来たジェイコブ、家族のことを第一に考える妻のモニカ、しっかり者の長女アン、心臓の悪い息子デイビッド、そして韓国からやって来たモニカの母スンジャ、彼ら5人家族のお話です。
イタリア系、中国系、メキシコ系などなど、移民大国であるアメリカにおいて、アメリカへの移民を描いた映画は過去にも作られて来ましたが、今作が注目を浴びているのは人種差別や抑圧を中心に描いた移民映画ではないということです。韓国移民の映画のためファトゥ(韓国花札)やミョルチ(煮干し)など、コリアンカルチャーを知る人の方が楽しめる要素は確かにありますが、この映画は家族映画であるため、そのような知識がなくても十分に共感できると思います。特におばあちゃん子の方はより共感を覚えることでしょう。
そして冒頭でこの映画を韓国映画と捉えていいのかな、と言った理由ですが…
アメリカの賞である第78回ゴールデングローブ賞において、ミナリを一般部門ではなくセリフの大半が韓国語だということを理由に外国語映画部門に分類したことが問題となりました。そのせいで、ミナリは作品賞や、俳優賞にノミネートされる機会を失ってしまいました。
(*ちなみに外国語映画賞部門で最優秀外国語映画賞をしっかり獲得しています)
確かに“ミナリ”は韓国移民のお話で韓国人俳優が登場します。セリフも韓国語が大半を占めます。しかし、この映画を作ったのはブラット・ピットが所有する“Plan B Entertainment”そして“A24”というアメリカの映画制作会社です。
(*余談ですが“A24”という会社は2012年に設立された新しい会社なのですが、映画好きが唸る良作を作っています。万人受けする作品というよりは攻めた作品が多いのが特徴です。興味のある方は検索してみて下さい。)
米韓合作とも言えますが、この映画のアイデンティティはアメリカ映画であることに間違いありません。そういう意味も考えると、アメリカ映画の祭典であるのアカデミー賞おいて、この映画がどんな賞を獲得するのか興味が湧いてきますね。
アカデミー賞にミナリは作品賞、主演男優賞、助演女優賞、脚本賞、作曲賞の6部門にノミネートされています。韓国国内ではユン・ヨジョンが韓国俳優初のアカデミー賞候補に上がり注目を集めています。
今年のアカデミー賞は4月25日に開催される予定です!
さて、どのような結果になるのでしょうか??
(*韓国映画を紹介するコーナーなのに、アメリカ映画をご紹介したことはご了承下さい^^;)
それではまた次回!
ジニュン