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何よりもリアルな、韓国在住者の声を聞いてきた!

何よりもリアルな、韓国在住者の声を聞いてきた!

    平昌オリンピックが終わり、現在はパラリンピックの真っ最中ですね。低温や雪不足など始まる前はあれこれ心配されていましたが、終わってみたら記憶に残る、いいオリンピックだったと思います。

カーリング女子の“メガネ先輩”のような、スターもたくさん生まれましたしね。
 
 しかしチョンソンも以前はそうだったのですが、韓国語を学んでいなくて行き来する機会もあまりない人が韓国を知ろうと思ったら、ネットの記事が頼りなのではないでしょうか? 

中にはロクに取材もせずにまとめている、心ない記事も多いですよね。大人になってから韓国語を学び始めた私ですが、最近はようやく韓国語の記事を読めるようになってきました。

でもそうではなかった頃は、発信者の素性もよくわからないような日本の記事を、ひたすらうのみにすることもありましたっけ……。

 なかなかネット記事ではわからない韓国の実像って、一体どうなってるんでしょう? 

それを知るには在住者のお話をうかがうのが一番!と思ったので、2月25日に新大久保で開催された、オレカテに参加してきました。

オレカテはコリアンフード・コラムニストの八田靖史さんが主宰していて、『オレの韓流家庭教師』の略が語源です。

毎回その筋(どの筋だ)の専門家が韓国のリアルを、多角的に語る勉強会になっています。

 この日の講師はソウル大学研究員兼講師の、吉方べきさんでした。

吉方さんは韓国在住歴約20年になる日本人で、韓国EBSラジオの初級日本語講師や、バラエティ番組のコメンテータとしても活躍されています。

吉方べきさん

私が知りたかったのは日本で報道されているような「韓国=日本が嫌い」というのは本当?という内容だったので、この勉強会はドンピシャな内容だったのですが……。

 ざっくりした結論から言うと「んなことはない」で、聞いていて非常にラクになりました。

 かつてよく言われていたのは「韓国で日本人はタクシーの乗車拒否をされる」や「日本製品の不買運動をしている」ということでしたが、その不買運動とやらは今や、Olive Young(韓国のドラッグストア。色々なブランドのコスメが揃う)にいけばKATEやCAN MAKEなど、日本製プチプラコスメに人が鈴なりなのを見れば真偽がわかります。

タクシーに関して言えば、言葉の壁も大きい気もします。ちなみに私はフィリピンで乗車拒否に遭いました。

吉方さんによるとそういったことはすでに過去の話で、現在は日本の存在感の低下も言われながらも、日本についての情報は飛躍的に増えている。

だから日本のある一面を見て判断することはなく、日本への関心の質も向上しているそうです。

また前回ご紹介したSHIHO(前回記事は→こちら)をはじめ、日本のスターも好意的に受け止められているのが現状なのだとか。

それは吉方さんがスライドで紹介していた、2017年7月発表の『第5回日韓共同世論調査 日韓世論比較結果』(http://www.genron-npo.net/world/archives/6677.html )を見てもわかります。

    日本に対する印象を「良くない」と回答した韓国人は56.1%だけど、2015年の72.5%、2016年の61%から徐々に減っていて、「良い」という人は2016年は21.3%だったけど、2017年には26.8%に増えているのです。

 でも一方の日本人が、韓国に対しての印象を48.6%は「良くない」と回答していて、これは2016年の44.6%から微増という残念な結果に……。

その理由はやはり、歴史認識における齟齬が大きいと思われます。

韓国のいわゆる「反日」は日本の国民や今の社会に向けられたものではなく、ヘイトスピーチなどの軋轢も韓国メディアは一般の日本人とは切り離して扱っている(吉方さん談)ものの、

日本のメディアは韓国の歴史認識=全国民的な日本への敵意という、ザツな捉え方をしていますね。

人の数だけ価値観はあるのだから、本来は1人1人違うはずなのに、それを追って紹介するには色々なリソースが不足しているのでしょう。

非常に残念です。

 お話を聞いていて思ったのは、韓国が日本を嫌いというよりも、そう思うことが今の日本にとっては安易なのかな、ということでした。

吉方さんは「日本は今までずっと垂直(相手国が自分よりも上か下か)の外交しかしたことがなく、並行の外交関係を保ったことがない」と言っていましたが、この言葉にいろいろなものが集約されている気がしました。

 でも両国にまたがって生きる者としては、それでは非常に窮屈。だから上か下かではなく、横のつながりを個人レベルでいいから作っていきたい。

 そのために何ができるのかはわからないけど、とりあえず「韓国の羽生結弦」の異名を持つフィギュアスケーター、チャ・ジュンファン選手の応援から始めてみようかと思います(笑)。

平昌では15位でしたが羽生選手と同じブライアン・オーサー氏に師事していて、まだ16歳なので次回北京でも活躍が期待できます。

今回のオリンピックでは韓国の羽生選手ファンが紹介されていましたが、「好き」と感じるミーハー心って理屈じゃないし、何より並行な関係を築くのに重要なツールだと思うからです。

……いやちょっと待てよ。

ファン同士の間では「ニワカ潰し」と言われる、新参に対する古参からのマウンティングはよくあることなので、むしろきっつい上下関係になっちゃうかな……?

 わかんないけどとにかく、メディアをうのみにせずリアルを知ることは大事なのだなと思った次第です。

(チョンソン)

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