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国民的女優がユン・ヨジョンなら、国民的俳優は?

国民的女優がユン・ヨジョンなら、国民的俳優は?

アンニョンハセヨ。チョンソンです。

 映画『チャンシルさんには福が多いね』など、何度もここで触れてきたユン・ヨジョンが、韓国人初のアカデミー賞助演女優賞をゲットしましたね! アメリカに住んでいたこともあるからか、英語でウィットに富んだスピーチをしていたのも本当に素晴らしかった。彼女をリーダーにパク・ソジュンやチョン・ユミ、イ・ソジンが海外でレストランを開く『ユン食堂』を見ていても、とても70代とは思えないはつらつぶり。いくつになっても新しいことにチャレンジすれば、扉が開くんだなあと私も元気をもらいました。

 国民的女優となったユン・ヨジョンや、ナ・ムニ(映画『怪しい彼女』『アイ・キャン・スピーク』)、キム・ヘジャ(ドラマ『まぶしくて 私たちの輝く時間』)、キム・ヘスク(ドラマ『世界で一番可愛い私の娘』)あたりは国民の母と呼ばれることが多いけれど(とはいえ皆さん、ハルモニ世代なんですけどね)、国民的俳優って誰だろう? うーん、アン・ソンギで間違いないでしょう。子役時代から映画ひとすじ60年以上。最近は体調を崩していたという報道もありましたが、主演作が5月に韓国で公開されるそうで、まだまだ十分現役。個人的には見るたびに「ウッチャンに似てるなあ」と思ってしまうのですが、それだけ親しみやすいということでしょうか。

 そしてもう少し若い世代では、おそらく、ファン・ジョンミンではないかと思います。現在50歳(日本式で)のファン・ジョンミンは『新しき世界』『ベテラン』『アシュラ』『工作 黒金星と呼ばれた男』など、映画に精力的に出演しています。ならず者から父親まで、幅広い役を演じることで知られていますが、離散家族を通して韓国のこれまでを描いた『国際市場で逢いましょう』の主人公には、涙した人も多いのでは? 私は映画『コクソン』でクッを踊り狂う、男ムーダン役が一番好きですが。映画ひとすじのアン・ソンギと違い、『ハッシュ~沈黙注意報~』など、ドラマにも出ているのも特徴です。

 日本でも知名度の高い俳優なので、出演作の多くが日本でも公開されていますが、韓国での昨年度観客動員数2位の『ただ悪から救いたまえ』は、残念ながらまだの模様。日本ロケありで豊原功補や白竜なども出演しているので、公開されたらぜひ見に行きたいのですが……。

© 2006 LittleBig Pictures All Rights Reserved.

 そんなファン・ジョンミンロスのさなかに、彼がかつて出演していた『潜入』が、劇場で初めて公開されることがわかりました。この映画は2006年に作られたもので、98年のIMF経済危機後、釜山で蔓延した麻薬を巡るクライムストーリーとなっています。監督のチェ・ホ氏がインタビューで「70年代の深作欣二作品を参考にした」と言っているとおり、登場する全員が悪者で、善人などいやしない。ファン・ジョンミン演じる刑事のト・ジングァンと、リュ・スンボム扮する、潜入捜査に協力する売人のイ・サンドはまさに「悪いやつと、もっと悪いやつ」で、どちらも同じぐらいどうしようもない。麻薬を一掃したいのかしたくないのか、復讐を果たしたいのか果たしたくないのか。お互いを利用しながら麻薬王を追い詰めていく攻防は、一体どこに向かっていくのかと見ていてハラハラさせられっぱなしでした。でもここでもファン・ジョンミンは安定の演技だったし、

今では味のある俳優に成長し、パリで生活しているリュ・スンボムも、役通りの頭の悪いチンピラにしか見えなかった。ドラマ『椿の花咲く頃』や『パスタ~恋が出来るまで~』で人気を博したコン・ヒョジンとこの頃付き合っていたのですが、なんでまた……と思うレベルのダメっぷりで(まあ役と本人は、決して一致しているわけではないのですが)。2人が話す釜山マルは極端すぎるような気がするのですが、かの名曲『釜山港へ帰れ』が劇中で使われるなど、懐かしさも感じてしまう作品でした。

 シネマート新宿で430日公開予定だったのですが、緊急事態宣言によって映画館が臨時休業してしまったので、公開も延びてしまった模様。今年も寂しいGWになってしまいましたが、未来を信じて待つしかないですね。では皆さんもご自愛ください。今回はこれにてアンニョン。

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シネマート新宿の情報はこちら↓

https://www.cinemart.co.jp/theater/shinjuku/

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