あんにょんブログ
青年会みんなの情報ブログ在日韓国人青年の海外赴任日記1-赴任前準備編-
在日韓国人青年のユインです。
出会いと別れの春,皆さんはどのように過ごされましたか?
僕は人生で最大の転機が訪れました。
そう。表題の通り,生まれ育って愛着のある日本を離れ,海外赴任することになったのです…!
日本で働く外国人や,海外で働く日本人が増えている今,我々のような在日韓国人が海外で働くことも決して珍しいことではないはずです。
ということでこれから数回,在日韓国人が海外に赴任するまでの準備から,現地生活を,日本人や韓国人とは異なる(かもしれない)角度から紹介してみようと思います。
(僕自身,海外赴任が決まってから「在日韓国人が必要な手続き」を色々調べたんですが情報が少なかったんですよね…)
まず手始めに,今回は赴任準備についてです。
(※ここで紹介するものは,記事掲載時点で筆者が経験したものです。最新の事情については,各自でお住まいの地域の役所などでご確認ください。)
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目次
■ 健康診断
■ 予防接種
■ ビザ取得
■ 転出届
■ 引越し
■ 国際運転免許証
■ 行く側と残る側の温度差
■ その他
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■健康診断
実は日本の法律で「6ヵ月以上海外で勤務する場合には,赴任前後で健康診断の受診が義務付けられている」そうです。もちろん国籍に関係ないようなので,韓国籍ながら日本の企業で働く僕ももちろん受診対象です。この健康診断,そこそこ曲者で受診してから結果が出るまでに1ヵ月程度かかるのです。
海外赴任が決まったら,早い目に受診しておかないと予定日に赴任できないことがあるかもしれないので要注意ですね。
■予防接種
予防接種と聞くと,インフルエンザなどを想像しますが,ちょっと違います。各地域で流行っている(あるいは感染の恐れがある)疫病の予防接種をするのです。
僕の場合はA型肝炎とB型肝炎の混合ワクチンを打ちました。筋肉注射で,かつ混合ワクチンとなると量が多くて,翌日くらいまで鈍い痛みが続きました…(涙)
実は1回で終わらないのが,海外赴任時の予防接種なんですね。効力を得るには1ヵ月間をおいてもう一度接種するよう指示されました。
必要なワクチンは行先によって異なりますので,渡航者向けに予防接種をしている医療機関で確認しましょう。行先によっては,10種類近く接種することもあるとか…!感染すると取り返しのつかない病気もありますから,サボらずケチらず,健康最優先で必要なワクチンは接種しておきたいですね。
■ビザ取得
たぶん,これが一番時間が掛かって大変です。国によって揃える書類が違うとは思うのですが,僕の場合は出身大学の卒業(修了)証明書と経歴書,申請書,添付用写真を揃えました。成績証明書を求める国もあるようです。経歴書は自分の頑張り次第ですぐに用意できますが,僕の出身大学は住まいから遠方だったので,卒業(修了)証明書は「郵送で申請・取り寄せ」となったので,少し時間が掛かりました。
韓国の大学を含め,「日本国外の大学を出た方」は,さらに取り寄せに時間が掛かると思うので,海外勤務を希望されていたり,行くことがほぼ確実な場合には予め手元に用意しておくのも一手かもしれませんね。
■転出届
これが盲点でした。
従来の外国人登録制度だと,特別永住者は転出届は不要だった(日本国内での引っ越し時も転入先でのみ手続きをした)記憶があるのですが,区役所で「外国人も住民票で管理されるように制度が変わったため,特別永住者の場合にも転出届の提出が必要だ」と言われました。
制度は変わるものですね。最新の情報を確認しましょう。
■引越し
日本から赴任国へ荷物を送る場合,日本から見ると「輸出」,赴任国から見ると「輸入」になるそうです。そのため,発送するものについて税関提出書類に「物品名・数量・金額をすべて記載」するよう運送会社から求められました。
僕のように身軽な単身で行くのと違い,家族同伴で行くとなったら荷物はもっと多いでしょうから,家族で赴任となると引越し準備は本当に大変なのだと思います…。
■国際運転免許証
取得日から1年間有効です。すぐに運転する機会があるかどうか分かりませんが,僕は念のために取得しておきました。(なるべくなら日本国外で運転したくないですけどね。)
■行く側と残る側の温度差
仕事でもプライベートでも,行く側と残る側で温度差を感じる場面が少なからずありました。
赴任することが決まると,行く側は赴任前準備,赴任後の生活基盤整備などでしばらく慌ただしい日々を送ることになります。一方で残る側は,それまでの日常生活から1人が突然消えてしまうことになります。
赴任が決まったことを伝えると,プライベートを中心に多くの方々から「何だか寂しい…」と言われてしまいました。嬉しいような寂しいような…
海外赴任が決まってしまえば,それはどうしようも無いですが,突然自分がいなくなってしまっても,なるべく支障をきたさないように仕事の引継ぎをしていかなくてはなりませんし,帰任して日本に戻った時に良い人間関係を継続できるよう,仕事でもプライベートでもできる限り配慮をしておきたいですね。
■その他
日本出国以降に支払いのある住民税について,支払い方法を会社・市区町村役場に確認が必要です。固定資産税など,その他の税金についても管轄している機関に必要な手続きを確認する必要があります。
いま思い返しても,行く前までに仕事の片を付けないといけない,その傍らで諸々の書類を揃えたり,申請出したり,健康診断を受けたり,なるべく多くの人と会ったり…特に自分の場合は,異動発表から赴任日まで時間が少なかったので,本当に時間管理が大変でした。
長くなりましたが,赴任準備編はここまで。
海外赴任を考えている在日同胞の皆さんの参考になれば嬉しいです!次回以降は海外赴任後の生活を紹介します。
(ユイン)