あんにょんブログ
青年会みんなの情報ブログ山火事から一気に洪水になりましたけど何か?〜在日韓国人のシドニー滞在記〜
Hey guys! どうも、しげきむです。
一時ではありますが、私日本に帰って参りました。8月末まで日本にいるので、もし僕の連載で気になることなんかがあったら青年会までお気軽にお問い合わせください。
世の中は今、新型コロナウィルスの話題で持ち切りですね。ちょうど僕が帰ってくる直前に中国での感染がアウトブレイクしていました。その時のオーストラリア政府の対応は大胆なもので、クリスマス島という山火事で焼け落ちてしまった孤島に感染者を2週間隔離するというものでした。この記事を書いている現在では、インドネシアから近いダーウィンというオーストラリア北部の街に隔離施設を設けているようですが、経済的にも人的リソース的にも中国への依存度が高いオーストラリアは、今回のコロナウィルス禍は大きな打撃受けることは間違いないと言われています。
実はオーストラリアでは、このコロナウィルスの少し前に、別の大問題が起きていたことはご存知の通りです。そう、山火事(Bushfire)です。
データによると、107,000平方キロメートルが焼失、建物への被害5,900棟に登ったとされています。これは、なんと日本の本州の半分に匹敵する面積です。その煙は、海を超えニュージーランドだけでなく、遠くチリやアルゼンチンにも及んだとされています。どれぐらい遠いかと言うと、シドニーからニュージーランドまでは飛行機でおよそ4時間、南米に至っては、10時間弱かかります。その煙さを体験した僕からすると中国から飛来する黄砂の比ではないぐらい濃く不快だったのを覚えています。
この写真、夕方に見えますが、13時のサンサンと太陽が降り注いでいる時間に撮影したものです。雲はひとつもありませんでした。
太陽の光が煙で乱反射して、こんな感じになっています。本当は目の前ももっと煙たくて、近くで焚き火をしているような匂いがしていました。
別の日に撮影した写真です。連日こんな天気の日が続いていたこともあって、げんなりした気分だったのを覚えています。せっかく夏の訪れを感じていたのに!
この写真は、ちょうど夕方ごろに撮影したものです。先の写真に比べて赤いのがわかると思います。ドラクエでこんな街あったよなぁと。次の村人に話しかけたら雨が降って全員石になっちゃうやつ・・・
まさに、地獄絵図、そして環境破壊が進んだ後の未来予想図でもありました。
そのときのオーストラリア政府の対応としては、人海戦術が手一杯、アメリカやカナダから山火事対応が本職のファイヤーファイターたちが駆けつけるなどして沈静化を図っていました。その直前には、首相がバカンスのためにハワイに出かけ、山火事が深刻化するとそのバカンスを早めに切り上げて戻ってくるなどしましたが、やはりオーストラリア国内から厳しい批判の声が相次いでいました。首相が、山火事対応に前線であたっていたファイヤーファイターたちを表敬訪問したところ、握手を完全にシカトされるなど、日本や韓国では絶対に見られない光景もTVでは流されていました。
前線で戦っていたファイヤーファイターたち、募金活動などで後押ししていた市民たちのおかげもあって、人的被害は最小限に抑えられはしましたが、それでも29人の人達が亡くなっています。
現在(2020/02/22時点)では、山火事は完全に落ち着いています。この山火事が落ち着いた理由は、2月の上旬に大雨が降ったためでした。皮肉です。人間の努力なんて大自然を前にしてはちっぽけなものでしかなかったということかもしれません。
ちょうど僕がシドニーを離れた直後ぐらいからものすごい量の雨(なんと30年振りの量)が振り始め、シドニー郊外では大規模な洪水が起きました。
いや、中間ないんかい、とツッコミたくなるところですが、環境破壊と気候変動が進むと、極端な天気になってしまうというのも知っておきたいところです。(暑ければ極端に暑い、寒ければ極度に寒い、などです。)
この洪水がオーストラリアでどう受け止められたかというと、極めて前向きに受け止められました。
これは、シドニーで山火事対応にあたっていた消防庁のツイートです。消防にあたっていた女性が満面の笑みでバンザイしています。(ちなみに、オーストラリアでは消防士にも建設関係にも女性が数多く活躍しています。)
このツイートのテンションは、オーストラリア国営のABC放送でも似たようなものでした。すっごくカジュアルに言うと、30年ぶりに大雨降って洪水になって浸水しちゃってる人たちもいるけど、このおかげで山火事がだいぶ止んだぜ!なんて感じです。家が浸水した人へのインタビューもありましたが、彼らもかなり前向き「浸水しちゃって大変だけど、山火事が止んだのは嬉しいね!」と。マジでオーストラリアでした。
ちなみに、ABC放送はYoutubeでLive配信されているので見るものがなくなったら見てみてください。(メディアに触れるとその国のテンションがなんとなく分かります)
オーストラリアから戻ってきて、もうすぐ3週間になりますが、もうすでに恋しいです。早く戻りたい。。
というわけで、しばらく僕の寄稿はなくなると思いますが、日本生まれの韓国籍で、韓国語喋れないけど、海外に住みたいって方の相談には乗れるかと思うので、なんか疑問なこととか興味あることあったら気軽に聞いてください。
それでは。
Cheers, mates.
(しげきむ)