朝鮮半島でビジネスをしたいなら、まずは韓国のマナーを知ろう
アンニョンハセヨ。チョンソンです。
4月27日に11 年ぶりの南北首脳会談が開催されましたね。青年会でも会談時に発表された共同宣言「板門店宣言」を歓迎し、支持する声明を出しています。
これをきっかけに朝鮮半島の、ひいては東アジアの融和が進むことを願ってやみません。
と同時に、「今後は朝鮮半島全体をマーケットに、ビジネスを始めてみたい」なんて考えだした、気の早い同胞諸君もいるのではないでしょうか?
まあ、チョンソンも機会があればチャレンジしたいんですけど!
でも私をはじめ韓国で学んだり仕事をしたりの経験がない在日にとっては、正直なところ韓国ですらちょっと遠い感じがあるのも事実ですよね?
むむむ……と悩んでいた折、以前とあるオフ会で知り合った、日本の書籍の韓国で翻訳・出版などを手掛ける徐丞範さんから「本を出しました」という連絡がありました。
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その名もずばり『韓国ビジネス 53の成功ルール』(http://www.godo-shuppan.co.jp/forest/book_6108.html)というものです。
徐さんは小学校5年から高校2年までを日本で過ごし、朝日新聞ソウル支局記者や広告代理店にて大田エキスポの企画・運営、日韓サッカーW杯のプロモーション事業などを手掛けてこられました。現在は翻訳・出版事業に加えて機械の日韓への輸出入事業などもされています。
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そんな徐さんは、
日本と韓国は「なんだかんだ言いながら、親しく付き合う“ご近所さん”のようなもの」。でも見た目は同じアジア人でも、日本人と韓国人はそもそも大きく異なる。なのにお互いの違いを理解しようとすることなく、自分たちの常識で相手を判断してしまうから、誤解が生まれてしまう
と、この本の中で語っています。
だから「わかりあえる」という期待をいったん諦め、異なる考えを持ち、わかり合えないもの同士として希望を捨てることで、初めて新たな道が見えてくるのではないか、とも言っています。
この本には韓国を良く知る同胞には当たり前かもしれないけど、ビジネスシーンを中心に、「えっそうなの?」と思う日本人と韓国人との違いがたくさん書かれています。
たとえば日本に住んでいるとやってしまいがちでも、韓国では失礼に当たる習慣には、以下のものがあるそうです。
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・握手をする→お辞儀をした方がいい。地位や年齢が下のものから先に頭を下げること。目上の人が手を差し出したら握手してもいい。その場合は、左手を添えると丁寧なあいさつになる。
・相手の注意を引こうと腕などをたたく→目上の人の体を触らない。
・自分が先に席に座る→年長者が座ってから!
・年長者より先に立ち上がる→気を使ったつもりでも、それは失礼に当たる。
・出された飲み物を先に飲む→相手が手を付けてから。
・相手の目を見続ける→「異論がある」「敵対心がある」と受け取られてしまう。
・鼻をすする→目上の人の前ではとても失礼(生理現象なんですけどね……)。
・仕事中や電車内で、ケータイに出ない→電話に出ないと「無視された」「連絡が付きにくい相手」、そして「失礼」と思われてしまう。一瞬でも出てかけなおすように(日本では車内マナーが悪いと言われそう)。
・お酒の席で、グラスにつぎ足す→韓国ではお酒が残っているのにつぎ足すと、お酒がまずくなると考えられている。
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以前「あなたは人の目を見て話さないから失礼だ」と言われたことがあるチョンソンとしては(恥ずかしがりやなんです……)、韓国でビジネスをした方がラクかもと思いつつ、実は初めて知ることがいくつもありました。
確かに徐さんの言う通り、日本人と韓国人はお互い外国人同士です。だから同じではなく違って当然なのです。
では在日は一体、どうなんだろう? どちらとどれだけ同じで、どれだけ違うのでしょうか?
その答えはおそらく、1人1人違うと思います。
そして「どちらでもない」とも言えるし、「どちらにも近い」とも言えるのではないでしょうか。
そう考えると在日の置かれている状況って、一言ではとても言い表せない複雑なものだから、逆にそれをビジネスやコミュニケーションの場で強みにしていくことができるかもしれません。
自分がどちらに詳しいかは、韓国に住んだ経験がない人とある人でも全然違うと思います。だからより少ないほうの習慣を学ぶことや身につけることで、日本と韓国のいずれにも通用する人生が展開できるようになるかもしれません。
朝鮮半島に平和と安定が訪れたのちにビジネスをしてみたいと考えているものの、意外と韓国のことを知らないという人にお勧めしたい1冊です。
それこそこれからの未来に、Forbesの「世界の資産家ランキング」に載っちゃうような同胞が生まれることを、チョンソンも祈ってます(すでに孫正義さんは載ってますが)!
アンニョン。
(チョンソン)
~書籍紹介~
韓国ビジネス 53の成功ルール: 互いの違いを強みに変える最強タッグの作り方