野球少女(2019)
アンニョンハセヨ!
甲子園での京都国際高校のベスト4凄かったですね。
京都国際高校の活躍は韓国語の校歌が甲子園でも流れたとして、韓国でもニュースになりました。
ということで今回は野球映画をご紹介します!
“野球少女“と言うプロ野球選手を目指す女子高校生が主人公の映画です。大ヒットした
ドラマ“梨泰院クラス”に登場したイ・ジュヨンが主演で登場します。
あらすじですが…
野球の才能に恵まれ、幼い頃は男子よりも野球が上手かった女子高生野球選手チェ・スイン。
プロ野球選手になることを目標に頑張るものの、男女の体格差の壁や、女性に対する偏見のため、
周りからは認められません。そんな中ある日、長い間プロ入りを目指したものの、
結局プロ選手にはなることはできなかったチェ・ジンテコーチがスインのいる高校の野球部に
就任します。誰よりもプロ野球選手になる難しさを知っているチェ・ジンテコーチもスインが
プロ選手を目指すことに反対します。しかしスインの本気に心が動かされ、スインがプロ野球選手
になるための特訓を二人で開始します…
韓国の学生スポーツに関して少しお話をしたいと思います。日本の中高のようにどの学校にも
運動部があるという部活動システムは確立されていません。スポーツに力を入れた高校にのみ、
野球部、サッカー部などの運動部が存在している状況です。一般の高校でスポーツをするとなると
トンアリと呼ばれる同好会レベルのクラブ活動があったりなかったりする程度です。
つまり運動をする学生と勉強をする学生に二分化されており、文武両道の学生生活を行える
学校はあまりない状況と言えます。ご存知の方も多いと思いますが、韓国の大学受験は
日本よりもずっと厳しい競争です。それに野球というスポーツ自体が、グラウンドの数の違いなどに
より日本よりずっとプレーすることに関してはハードルの高いスポーツな気がします。
韓国でもプロ野球は人気ですが、実際にプレーするスポーツというよりも、見ることを楽しむ人が
多い競技だと思います。チームの数であったり、グラウンドの数であったり、野球環境的に
日本よりも韓国の方が、女子選手が野球をするのはずっと厳しい状況にあるように思われます。
一度韓国の大学の運動部の友達に聞いた話ですが、運動で成功する人は良いものの、頑張っても
芽が出なかった選手は、勉強をせず運動ばかりしてきたため、その後の進路が大変だという話を
聞いたことがあります。何か一つのことを頑張るのも素晴らしいですが、学生時代はいろいろな
ことにチャレンジできる環境を大人達が作ってあげることが大切なのではないかと思います。
またちょっと話がずれてしまいましたね。映画の話に戻ります!
ストーリーはフィクションですが主人公のチェ・スインにはモデルとなった女子野球選
手が実在するそうです。日本の高野連は女子生徒が男子と一緒に大会に出場すること自
体、規約で認めていませんが、韓国には韓国高校野球史上初、公式戦に出場したアン・
ヒャンミ選手がいます。アン・ヒャンミ選手の存在がなかったらこの映画も生まれては
いなかったのでは無いのでしょうか?
そして映画内の出来事ですが、チェ・スインに刺激され、野球部に入団を希望する女子生徒が
現れます。前例のない出来事に挑戦することは自分との戦いでもありますが、周囲の偏見との
戦いにもなります。野球をする女性への偏見や女性の人権について描かれた作品ですが、
それよりももっと普遍的な挑戦することへの勇気も教えてくれる作品です。
映画の中でチェ・スインに刺激された女子学生が現れたように、実際にこの映画に勇気づけられ
挑戦する人が増えるといいなと思います。ちなみに野球関連でもう一つ。
在日韓国人×韓国高校野球というテーマで作られた“グラウンドの異邦人”というドキュ
メンタリー映画もあります。興味のある方はどうぞご鑑賞下さい。
今回はここまでです!
それではまた次回!
ジニュン