韓国の名付けと改名事情
あんにょんブログの本編に入る前に、
この度の台風21号、北海道地震で被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。
停電や断水、余震など、生活への影響などもあるかと思います。在日青年やご家族、ご友人の無事を願うばかりです。
何かお困りがある際は、各地の青年会にお声かけください。
一日も早い復興を心よりお祈りしております。
(在日韓国青年会中央本部)
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アンニョンハセヨ、インジュです。
だんだんと秋の気配を感じるようになりましたね。
昔は晩夏をひどく寂しく思えたのですが、今年は夏の始まりが早くあまりにも暑かった分、秋の訪れが楽しみで仕方ありません。
さて前回、赤ちゃんの性別をも占う予知夢「胎夢」について書き、おなかの赤ちゃんは男の子かも?と言っていましたが…
産科では「8割方女の子ですね~」と言われてびっくり!
すっかり男の子のオンマになる気合いでいたのに、あの胎夢は何だったのか…
とは言っても、まだ確定じゃないので何とも言えないのですが。
とりあえずの方向性が見えたということで、ゆっくりと赤ちゃんの名前を考え始めています。
私自身の名前は、一見男性ぽく見える漢字なのが悩み。
取材でもメールでやり取りした相手に「男性記者かと思っていた」なんて言われることはしばしばです。
中性的な響きの名前なので、韓国でも同姓同名は男性の方が多かったりします。
でもハラボジが初孫の私に良い意味の名前をと、孔子の教えから「仁」を取り、女の子には使わないトルリムチャ(돌림자:同親等で統一した漢字1字のこと)の「ジュ」も入れて付けてくれた名前です。
今はとても気に入っていますが、小さい時は日本の学校でさんざんからかわれ、「ださくて良いから日本名がほしい…」と思っていたくらいでした。
日本の女の子たちはきれいな漢字の名前でうらやましく思っていたものです。
なので生まれてくる子どもには、日本でも韓国でも無理なく使える名前を付けたいなあと考えています。
でもけっこうすでに周囲の日韓カップルの子が使っている名前が多くて難しいところ。
ふりがながないと読めない当て字の名前は避けたいし、できれば日韓で同じ読みの漢字にしたいし、そのうえで字画を気にするとかなり選択肢が狭まります。
韓国で人気の名前を見てみると、男の子だとドユンやハジュン、女の子だとソユンやソヨンなど。(下の図を参照)
トルリムチャは避けて、パッチムのない名前(シウ、ジユなど)や、漢字がなくハングルでしか表記できない名前(ハヌル(空)やアルム(美しい)など)も人気の様子。友人たちを見ると、中性的な名前(ジュンヒ、ジウォンなど)をつけることも多いです。
さて一方、「改名」する時に人気の名前は女性が「ソヨン(서연)」、男性が「ミンジュン(민준)」。ニュースサイト「News1」の記事によると、昨年に改名したのは、男性3万4991件に対して女性は2倍以上の7万554件だったといいます。
日本ではめったにいない気がするのですが、韓国では改名したという人をちょくちょく見かけます。
改名のためには裁判所の許可を得る必要があるのですが、昔は「運勢が良くない」という理由を受け付けなかったのが、2005年から認められるようになりました。そのため、これもニュースサイト「News1」によると、毎年10万人以上が改名を申請し、認定率も94%を超えるそうです。
そういえば、大学の先輩が改名したのもこの頃だったなと思い出しました。大昔の中国女優のような名前だったそのオンニは、ある日「改名したの。これからはソア(서아)って呼んで」と宣言して私たちを驚かせました。
他にも、本人によく似合っていた名前だったのに、若いアイドルみたいな名前に改名したオッパもいたなあ。
両方とも、改名の理由は「運勢の悪い名前だったから」でした。そして、新しい名前で呼ばれるほど運気が上がるということで、「たくさん呼ぶように」とリクエストされたっけ。
でもやっぱり生まれてくる子には、名前を気に入ってもらって、ずっと使い続けてほしいなというのが願い。いろいろと考えてみるつもりです。
(アン・インジュ)
1984年ソウル生まれ。1990年に来日、神奈川県で育つ。延世大学校政治外交学科卒。日本の全国紙に勤務中。