韓国の子育て事情
「韓日新婚生活」なんていうカテゴリーを作ってもらっているインジュです。
すでに入籍して1年経過したけれど、まだ新婚と言っていいのかしら?
結婚して変わったとしみじみ思うことは、友人たちとの会話の内容の変化でしょうか。
先月、ソウルに住む友人たちに久々に会って話したのは、妊活(韓国では『妊娠準備』。活動と言うとおもしろがられました)や保育園や介護などなど。
私はまだ子どもがいないので、워킹맘(働くママ)たちの話は未知のことばかりです。
子ども2人を実家の両親と義両親に1人ずつ預けてフルタイムで働く女性の話や、平日は子どもと実家で寝泊まりして週末だけ家に帰るという友人の話・・・。
基本的に親のサポートなしに子育ては成り立たないのだそうです。
でも、そうそうみんなが親のサポートを受けられるわけではありませんよね。
バリキャリの友人Sはどちらの親にも頼れない状況のため、「도우미 아줌마(トウミアジュンマ=お手伝いのおばさん)」にお世話になっているといいます。日本では手が届きにくいイメージの「お手伝いさん」ですが、韓国ではけっこうよく見かけます。住み込みのケースも多いです。
Sは長男出産後、職場復帰してからトウミアジュンマの助けを借りるようになったそう。
平日は住み込みで家事や子どもの面倒を見てもらい、週末は休みでアジュンマは自宅に帰るというスタイル。
「家族以外の人と一緒に住むのって気を遣わない?」と尋ねると、「ううん。家族みたいな感じ」と信頼している様子。
親に頼れない分、いろんな相談に乗ってもらえてとても良いと言います。
ちなみに費用は、トウミ派遣会社への手数料も含めて1カ月220万ウォンほど。
日本円で22万円くらいですが、それで家のことはすべておまかせできて仕事に全力集中できるのなら、検討しても良いのかも・・・?
Sの家に来ていたのは中国・朝鮮族のかたで、とてもきめ細かいサポートをしてくれるアジュンマだったそう。
深刻な人手不足の韓国では、言葉や習慣の問題が少ない朝鮮族の中国人が多く出稼ぎに来ています。食堂を始め、こうして家庭で家事代行の仕事も担っています。
日本では外国人労働者の家事代行は、東京、大阪や神奈川など一部の「特区」でしか受け入れておらず、まだ準備段階。事業者は当面、フィリピン人が中心になるといいます。
政府は外国人労働者の待遇を守るため、日本人と同額以上の報酬や住居の用意、研修の実施、そして国への監査など課しており、「普及へのハードルが高い」という声もあります。
Sの家に来ていた朝鮮族のアジュンマも、韓国人のアジュンマに比べると少し費用が安いといいます。
外国人労働者をただ「安価な労働力」とする現状は、今後変わっていかなくてはなりません。
と、家事特区の話をしていたら、日本と米国に留学経験のある優等生Sはこんな話を。
「日本語できる子たちと、退職したら日本へ出稼ぎに行って家事代行しようかと言って盛り上がってるよー。ほら、私たちちょっと英語もできるし、勉強も見てあげられるし。ぴったりだと思わない?」
そんなスーパートウミアジュンマ、ぜひお願いしたい!
《アンインジュ》
1984年ソウル生まれ。1990年に来日、神奈川県で育つ。延世大学校政治外交学科卒。
日本の全国紙に勤務中。お酒が弱くなったことが悩み。