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家族の呼称 どう呼ぶ?

家族の呼称 どう呼ぶ? 家族の呼称 どう呼ぶ?

アンニョンハセヨ、インジュです。
臨月に入り、12月初旬には赤ちゃんが生まれそうです。
いよいよとドキドキの日々ですが、目下の悩みは体重の激増。
止まらない食欲だけでなく、赤ちゃんの成長も早いので、どんなジャイアントベビーが生まれてくるのだろうとちょっと不安だったりもします。
元気に生まれてきますように!

さて、皆さんは両親を何て読んでいますか?
アボジ・オモニやアッパ・オンマ?
お父さん・お母さんやパパ・ママ?

生まれてくる子どもは日韓ダブルなので、何となく真ん中(?)をとって「パパ・ママ」かなと思っていたのですが、夫は「俺にパパは似合わない」と言って早めから「お父さん」路線を敷いていました。
そして毎日のように「お父さんですよ~。お母さんのお腹の中はどうですか~?」と言った具合にお腹に話しかけるので、気づけば私もつい「お母さんは…」と話しかけるようになっていました。
路線変更すべく最近はママとかオンマとか言ってみているのですが、何だかしっくり来ないようになってしまって、どうしようかと思っているところです。

一方の韓国は、子どもはみんな「アッパ・オンマ」と呼ぶのでこうした悩みはなさそう。
たまに「アボジ・オモニ」や、英語の早期教育で「ダディー・マミー」と呼ばせる家庭もあるようですがごく少数といえます。

日本は呼称が自由ですよね。
祖父母や親戚をあだ名で呼んだりすること、たまに人前で両親を名前で呼ぶ人も、昔は本当に驚きました。
夫の母や妹も「〇〇ちゃん(名前で)と呼ばれたい」と言っていて、韓国では「ハルモニ」「コモ」以外の選択肢がないので何だか不思議です。
でも堅苦しくなく、家族関係が柔軟なような気がして良いなとも思います。

韓国はご存知のとおり、関係性において家族や親戚の呼び方が異なり大変複雑です。
男性中心の家父長制を念頭に構成されており、その中でも特に女性が使う夫の家族への呼称が問題視されています。

たとえば、夫の兄を「아주버님(お兄様)」弟を「도련님(坊ちゃん)」そして妹を「아가씨(お嬢さん)」と呼ぶのは、「まるで嫁が使用人のようだ」と指摘されています。
でも夫が妻の兄を「형님(お兄様)」と呼んでも、弟や妹は「처남(漢字で書くと妻男))」「처제(同じく妻弟)」と大して敬われません。

そして母方である「외가」の話。漢字で書くと「外家」になるんですね。
子どものころ、韓国では母方を「외할머니」などと分けて呼ぶのに対し、日本にはそれにあたる言葉がないと知って驚いたことを覚えています。
(日本語をよくわかっていなかったので、しばらくの間「ひいおばあちゃん」が「외할머니」にあたる言葉だと思っていたくらいでした)

ある韓国人男性が母方のおばあさんのことを「외할머님」と敬って書こうとして、日本語で「外祖母様」と書いた手紙を書き、私は「日本では内外に分ける必要はないし、何だか失礼だよ」と言ったことがあります。
でもよく考えてみると、それは日本だけでなく韓国でも同じはずです。

11月6日付「ハフポスト・コリア」のブログでは、言語学者のキム・ハス氏が大胆な「呼称の革新」を唱えていました。
父親の系列はすべて「큰아버지/작은아버지」、母親の系列は「큰어머니/작은어머니」と簡単にして、同じ系列同士は「〇〇さん」と名前で呼び合おうという提案です。

昔は日本では親戚がみんな「おじさん・おばさん」に統一されていて変だと思っていましたが(しかも見知らぬおじさん・おばさんとも同じ呼び方!)、これくらいの方が人間関係も円滑なのかもしれないと思うようになりました。
時代遅れで面倒な韓国の呼称、いつかは変わっていくのでしょうか?
上記で述べた問題点だけでなく、子どもにとっても覚えたり呼んだりが難しそうなので、ぜひとも簡素化してほしいものです。

今年も早いもので、あっという間に師走です。
1年間書いてきた「韓日新婚ブログ」ですが、インタビュー記事と共にここでしばらくお休みに入ります。
もうすでに新婚とは言えないので、次はタイトルを変えないといけないですね。
親バカ(韓国語では딸바보,아들바보)全開のブログにならないように気を付けたいところです(笑)

ちょっと早いですが、

한해 마무리 잘하시고 새해 복 많이 받으세요!(1年を上手く締めくくり、良いお年をお迎えください!)


写真は2014年12月、ソウル市庁で

 

(アン・インジュ)

1984年ソウル生まれ。1990年に来日、神奈川県で育つ。延世大学校政治外交学科卒。日本の全国紙に勤務中。