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大統領選挙情報 在外同胞政策について(ワールドコリアン新聞より)

第19代大統領選挙の投開票は5月9日に実施されるが、これに先立って、在外選挙が4月25日から30日まで、世界116カ国204の投票所で行われる。今回の海外国民有権者は29万4633人。世論調査の支持率10%以上の3候補の在外同胞政策を担当する金星坤前国会議員(共に民主党)、曺圭瀅前在外同胞財団理事長(国民の党)、楊昶栄前国会議員(自由韓国党)から各党の在外同胞政策に関する公約について在外同胞情報紙のワールドコリアン新聞がインタビューを行った。その内容を紹介する。

 

大統領候補の在外同胞公約

 

共に民主党

①在外同胞支援組織の改善

②在外国民保護法制定しサービス強化

 

 文在寅候補は、在外同胞政策と関連して、「在外同胞すべてが誇れる、きれいな政府、幸せな大韓民国、平和な韓半島の実現へ最善の努力を尽くす」と述べている。文候補の在外同胞公約は、大きくわけて4点だ。最初に掲げたのは「在外国民保護法」の制定を通じた在外国民の保護とサービスを強化だ。

 韓国人の年間海外旅行数が2000万人に迫っており、海外に居住または滞在する在外同胞も720万人に達するなど、わが国民の海外活動が大幅に増加しており、海外でのトラブルなど緊急事態に対処する事態も増えている。

 共に民主党は在外国民保護法を制定し、在外公館員通訳、受刑者支援、法律相談などのサービスを強化し、外務領事人員と予算を拡充して国民領事サービスを向上させる。

 2番目は在外同胞庁の新設など、在外同胞支援組織の改善だ。これと関連し共に民主党の鄭光一世界韓人民主会議事務総長は「在外同胞の要望事項は多様であり、部分的な政策ではなく、包括的な政策が必要だ」とし、「在外同胞政策を総合的に立案・推進するコントロールタワーが必要。そこで在外同胞社会に対する幅広い理解と深い愛情を持ちながら政策を作成し、予算を確保し執行すべき」と説明した。

 3番目はアイデンティティの確立と能力強化への「在外同胞教育」支援拡大だ。在外韓国学校やハングル学校と次世代人材育成、アイデンティティ教育などの支援拡大と強化だ。在外同胞政策の中でも、グローバル韓民族ネットワークの拡大のための同胞次世代の掘り起こしと育成を重要視している。

 最後は「在外選挙」制度の改善だ。現行の在外選挙人登録だけでなく、投票もメールやインターネットで可能にし参与を拡大する方針だ。これは第19代国会で金星坤議員が公職選挙法改正案を発議した内容でもある。当時、金議員は常任委員会である「安定行政委員会」の全体会議で与野委員に協力を要請したが、結局、反映されなかった。

 今回の大統領選挙で共に民主党の「国民主権選挙対策委員会在外国民投票支援委員長」を務める金氏は、「第19代国会で在外同胞庁の設置、在外国民保護法の制定、在外選挙制度改善への公職選挙法改正などを発議したが、満足のいくレベルの改善には至らなかった」とし、「720万在外同胞の権益向上はもちろん、祖国発展のためにも、今回の選挙に積極的に参加して在外同胞の力を投票で示してほしい」と呼びかけている。

 

 

国民の党

①大統領直属「在外国民委員会」を新設

②在外同胞子女、兵役代替服務制導入

「在外青少年教育センター」建設も

 第19代大統領選挙で共に民主党の文在寅大統領候補と激戦を展開している安哲秀候補は、「在外同胞の権益擁護と安全の強化を推進する」と明言し、一番目の在外同胞関連公約として「在外国民委員会」の新設を掲げた。

 共に民主党や自由韓国党が提示した「在外同胞庁」が政府省庁であるのに対し、国民の党が掲げた「在外国民委員会」は、大統領直属の常設委員会だ。在外国民委員会は、在外国民のための政府内専門機関として、在外国民と同胞関連政策を調整して提案する役割を担う。

 安哲秀大統領候補の特別補佐官を務める、曺圭瀅・前在外同胞財団理事長は「これまで学界や同胞関連の市民団体から在外同胞問題に対処する政府内専門機構設置を求める声があり、政界の一部でも問題提起されてきた」とし、「ただ、『在外同胞庁』の設置は、現行の国内法では事実上不可能であり、近隣諸国との外交摩擦を招くことも想定されるため、常に棚上げされてきた」と指摘した。

 また曺氏は、「安哲秀候補が新設しようとする常設委員会は、国籍、国内滞在、兵役、税金などの分野で在外国民と同胞たちが抱えるすべての問題を一次的に検討し、その結果を当該部門、さらに政府の議論を経て最適の政策を大統領に提案するシステム」と説明した。

 委員会の設置は、現行国内法でも実現可能であり、有効性の面でも大統領の補佐機関として問題解決や新政策を設ける機能を備えるという意見である。

 2番目は在外同胞の権益伸長とサポート強化だ。具体的には△国籍、兵務、税金、健康保険法などを整備して在外国民の隘路を解消△在外同胞青少年の韓国語、歴史教育のための「同胞青少年教育センター」の建設△在外同胞のアイデンティティ涵養と母国との絆を確立するため、教育、母国訪問、職強能力などのネットワーク拡大で「在外同胞財団事業の強化」△政府の公共外交活動に同胞社会文化・芸術団体の参加の門戸開放△母国の経済と国民の商工人との共生発展へ同胞企業を政府の政策資金支援対象に含める△同胞報道機関への支援策の準備など。

 曺氏は、「この中でも早急に解決すべき点は、在外国民の子弟の兵役問題」とし、「米国生まれによる先天的な重国籍による困難や永住権制度がない国で長期滞在する在外国民の子弟が苦しむ兵役問題を解決するために「代替服務制」の導入を推進する」と強調した。

 これは、海外で生まれ優れた教育を受けた青年が代替服務を通じて国内で外国語教師として一定期間勤務すれば、国内の青少年への語学教育にも役立ち、本人も韓国語と文化を習得でき韓国人としての意識を持つことができるだろう。

 また、「在外同胞青少年教育センター」と関連して「多くの海外同胞子弟たちは兵務を前に現地の週末ハングル学校で教育を受けているが、これをさらに充実化させるため、より専門的な現場教育が望ましい」とし、「現在、国内には短期研修・訓練を希望する同胞青少年を受け入れる施設が不十分」と語った。

 3番目は、在外同胞と海外旅行国民に向けた「領事サービスの改善と強化」だ。安全な海外旅行の情報を提供し、政変、紛争、自然災害などの緊急事態への迅速な対応能力態勢を完備することはもちろん、在外公館の領事人材拡充と領事保護活動のための予算を倍増する。

 曺氏は、「国民の党は、これらの政策を通じて在外同胞と母国との絆を強化し、次世代たちの韓民族としてのアイデンティティを確立し、グローバル時代に720万在外同胞が母国とともに発展する『韓民族共同体ネットワーク』の形成をめざす」と述べた。

 安哲秀候補は、在外選挙と関連し、「在外国民が投票権を行使することは大韓民国国民であることを確認する自分のためのスタンプだと思う。また、それは大韓民国の政治を変えるスタートでもある」とし、在外同胞の積極的な投票参加を呼びかけている。

 

自由韓国党

①先進型在外国民安全システム構築

②在外同胞庁を設立

③在外同胞歴史博物館も設立

 

 自由韓国党の主要在外同胞政策は①在外同胞庁設立②先進型在外国民安全システムの構築③外国人・同胞労働者の人権保護と処遇改善など3点だ。

 第19代国会議員だった楊昶栄・自由韓国党在外同胞委員長は「在外同胞750万人時代を迎え、在外同胞を対象とする教育、文化事業などの交流が増大している」とし、在外同胞庁の新設を最優先課題に掲げた。

 現在、在外同胞政策は在外同胞財団が担当しているが、現在の在外同胞社会の多様なニーズに応えるためには力不足であり、外交部所属の「在外同胞庁」を設立し、在外国民教育、交流事業、在外選挙など在外同胞支援に関する各種事務を行うべきだと説明した。

 また、「先進型在外国民安全システム」の構築と強調した。2000万人海外旅行の時代、260万在外国民の時代を迎え、海外テロと犯罪に備えた最適化された対応システムを作るのが急務であり、警察駐在官とコリアンデスクを拡大し、在外公館警備・警護対策官を派遣する計画だ」と述べた。

 また、在外国民の地位向上へ各国と領事協定を締結しノービザ国の拡大と滞在期間拡大を図っていく。

 3番目のは中国の朝鮮族、ロシアの高麗人同胞の処遇改善である。梁委員長は「朝鮮族と高麗人同胞は法的に私たちの同胞だが、同胞ビザ発給が制限されている」とし、「訪問就業ビザ(H-2)保持者の最長滞在条件4年10カ月という義務規定を緩和し、朝鮮族同胞と高麗人同胞の就職活動の不便を解消する」と明らかにした。

 また、サハリン同胞に同胞ビザ(F-4)を発行できるよう制度を緩和し、サハリン同胞のための支援事業として「光復記念イベント」、「韓人青少年歴史キャンプ」、「同胞ドキュメンタリー写真集発表会」などを展開する計画だ。

 このほか、「在外同胞歴史博物館」(仮称)の設立も掲げている。在日同胞をはじめ、各国海外同胞の歴史を一堂に集めるもので海外公館、文化院、韓国人会館などを現地同胞歴史博物館運営のための施設として活用する計画だ。

出展元:

http://www.worldkorean.net/news/articleView.html?idxno=25058
http://www.worldkorean.net/news/articleView.html?idxno=25056
http://www.worldkorean.net/news/articleView.html?idxno=25060

(翻訳者) 民団新聞編集長 鄭眞一

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